■ ご挨拶

気候変動、高温化・・・
暑く、熱い夏が過ぎ 心地良い朝と熱い日差しの秋もどきとなり 既に11月になってしまいました。
5月にはほぼ終息したコロナウィルスですが、この3年間色々なものに爪跡を残しました。
私どもも、飲食店の存在価値や労働環境の変化・宅配への依存度など 大きな変化を目の当たりにしてきました。
温暖化による気候変動も「農・水・畜産業」に深刻な打撃を与え ウクライナ侵攻・円安・政治不審・・・
不安定な要素が次々と重なり食材費・光熱費など様々な物価高騰へつながりました。
仕入れする「魚」「野菜」は事前にFax やメールで業者さんに「前注文」を入れます。
当日 「豊洲市場で選びながら仕入れる」ことは無くなりました。
築地市場時代は当日 市場で担当者と仕入れ値や品質を聞きながら買うこともできました。
コロナの影響もあるでしょう、豊洲市場までの距離もあります。市場内の人手不足・水曜日の市場休場も・・
必要な食材の必要な情報を得られないまま届く「食材」が思いもよらぬ高値で納品されてしまう事もあります。
「代変品」に頼れない食材もあります・・薬味の「葱」や 夏の「鱧」などです。
「油」「粉類」「調味料」はもちろん 日々の消耗品も値が上がりました。
「いつもの!」 御常連の方々のご注文です。
「いつもの」 が 「いつもの料理内容で・・」なのか「いつもの予算で・・」 なのか・・
無い知恵 と 少し衰えた体力 で解決策を模索しましたが・・
もう既に猶予の無い状況でございます。今回 料金改定をさせていただきました。
25年間 好きな料理に没頭し「より良い食材」を仕入れ 手間を惜しまず、技術を習得し「和食」の美味しさ、
楽しさを皆様にご提供できたと自負しております。
昨今の高級食材多用・希少価値・映える などの流れと 料理の高額化にはいささか疑問を感じております。
当店も決して「安い料金」で無い事は重々承知しております。
納得いく料理を「今までと同じ価値」でご提供できるよう 努力、精進いたす所存でございます。
今回の「料金改定」何卒ご理解いただけますようお願い申し上げます。
2008年8月8日 銀座八丁目八番八号「銀座 矢部」開店致しました。
2023年8月で15年になります。
原材料、流通、食の偽装、疑惑など、飲食に関わるものにとっても
心の痛いことばかりで、「食」の大切さを改めて痛感し「作り手」として
「本物を提供する」ことを第一と感じております。「銀座矢部」は
カウンターを中心に 調理場をすべてご覧いただけるよう設えました。
従業員全員でのおもてなしと、 お客様のご希望を出来る限り取り入れた
「おまかせ料理」を目指してまいります。
今後とも、更なるご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
